ゼインアーツ初の大型2ルームテント「ロロ」に注目が集まっています。
でもちょっと待ってください。ゼクーLだって2ルームで使えます。
まったく異なるように見えますが、室内空間・設営の容易さなど類似点は結構あるんです。
ゼクーLはワンポールベースですがフレームで拡大された室内空間は驚くほど広く、別売りのインナーテントを利用し2ルームテントとしての実力もなかなかのものです。
そしてロロと同じく、「超」かっこいいです。
といいうわけで、今後ゼインアーツのツートップとなるであろうこの2つのテントを、じっくりと比較していきます。
ロロとゼクーLの大きさを比較
ロロとゼクーLのサイズ感を比較します。
意外にも、「テントの大きさ」は近いサイズ感です。
まずは断面から。
横から見た大きさを比べてみると、高さは285cmで全く同じ。幅はどちらも5m強とかなり近いサイズです。形状は全く違うのに驚きます。
ゼクーLはワンポールをベースとし、エクステンションフレームで空間を拡大しています。
対してロロは、テント後方(インナー側)はワンポールベース、テント前方(リビング側)はトンネルテントのような形状です。
興味深いのは、ロロの後方にゼクーのような大型のエクステンションフレームを採用していない事です。
コスト面もあるかもしれませんが、やはり「デザイン」を重視した結果と考えられます。
最高に快適なテントより、ほどほどに快適で最高にかっこいいテントのほうがいいですよね。
次に平面で見ていきます。
ロロは「2ルームテント」として設計されています。よって、リビングと寝室が明確に分かれており、レイアウトは基本的に固定となります。
対してゼクーLはワンポールベース。形状は正六角形です。どこをリビングとしてどこを寝室とするかといった「レイアウトの自由度」が非常に高いです。
ゼクーには五角形のリビングシートが付属します。ワンポールテント(シェルター)=フロアのない土間スタイルのイメージが強く初心者には手を出しづらいですが、リビングシートがあるので「お座敷スタイル」にできてありがたい。
僕がゼクーMを選んだ際も、リビングシートの付属は大きなポイントでした。
続いて、インナーテントの位置を合わせて比較します。
形状は違えど、やはりこの2つのテントは有効面積も近いということがわかります。
但し、リビングスペースとインナー(寝室部分)の使い勝手にはやや違いがありそう。順に見ていきます。
ロロとゼクーLのリビングスペースを比較
図で見るとロロの方が広く見えますが、これは前後方向に余裕があるためです。ゼクーは幅方向に余裕があります。
室内空間を比べた場合、どちらにも充分すぎるスペースがあります。
ロロもゼクーもワンポールによる立ち上げでテント内の高さが確保され、数値以上の広さを感じます。
異なる点は、ロロのテント出入口は高さ180cmで立ったまま出入りできる高さ。対してゼクーは、エクステンションフレーム部は約170cmの高さの為、少しだけ頭を曲げて出入りする必要があります。
ゼクーには充分な高さがある大開口部を出入口とする方法もありますが、その場合はメッシュがなく雨も降り込んでしまうというデメリットがあります。
よって、テントの出入りのし易さはロロに軍配があがります。
次にテント内からの景色を比較します。
やはりこちらも、ロロが優位です。
充分なサイズとつながりのあるメッシュパネルは虫の多い夏でも快適に過ごせます。
正面だけでなく左右まで切り込んだパノラマデザインも素晴らしいですね。
ゼクーLが景色を楽しめない、という事はありません。
大開口部とエクステンションフレーム部をメッシュにすれば、開放感はかなりのものです。
ですが、ロロのようにメッシュパネルの繋がりが生むパノラマ感にはさすがに敵いません。
ロロとゼクーLの寝室スペースを比較
ロロとゼクーLの寝室スペース=インナーテントの快適さを比較していきます。
まずは平面図から。
形状は多少違いますが、面積としてはあまり差異はないようです。
ですが、横からのイメージを見ると決定的な違いに気づきます。
インナーテントをセンターポールで固定している点は共通ですが、インナーテント後方(奥側)の高さがかなり違います。
ゼクーLのインナーテントはエクステンションフレームで立ち上げた部分に固定する為、高さに余裕が出ます。
画像:ゼクーLインナーテント
対してロロはインナーテント奥側の立ち上げはわずかであり、高さにはあまり余裕がありません。
画像:ロロインナーテント
圧倒的な差、とまでは言いませんが、インナーテントはどちらが快適かという点ではゼクーLの勝ちになると思います。
まあ、快適性とデザイン性を天秤にかけた場合、やっぱりかっこいいほうがいいのでロロはこのままでいいです(笑)
余談ですが、ゼクーLのインナーテント奥側の固定位置はエクステンションフレーム部である必要があります。よって、大開口部との位置関係は基本的に上図で固定されます。
ロロとゼクーLの設営のしやすさを比較
どちらも簡単です。
ワンポールテントの最大のメリット「設営の容易さ」を実感できます。
①4カ所ペグを打つ
②センターポールで立ち上げる
③フレームを取り付ける
④ガイロープを固定し、残りのぺグを打つ
基本的な手順は共通しています。
違いとしては取り付けるフレームの本数に違いがあり、ゼクーLのほうが時間はかからないと思います。
ゼクーLのエクステンションフレームはたったの3本。対してロロは、スリーブに通す長いフレームが2本。両サイドに取りつけるフレームが2本。テント後方の立ち上げに1本で合計5本です。
まあロロの方が大変、というのは比較対象がゼクーだからです。
同サイズの2ルームテントと比較した場合、ロロの設営のし易さは圧倒的に楽です。心配はまったく不要です。
ロロとゼクーLの設営面積を比較
図の通りですが、
ロロ :8m×10m
ゼクーL:8m×8m
が設営面積の目安になります。
どちらも車込みで10m×10mサイトに収まるので、外観から感じる大きさよりも設営スペースをとらないな。という印象です。
ロロとゼクーLの価格を比較
ロロが約15万円。ゼクーLは約10万円。1.5倍の違いは大きい。
但し、インナーテントはロロには付属する。ゼクーLは別売りです。ゼクーLはインナーとセットでは約12万円となり、価格差はだいぶ縮まります。
ゼクーLとゲウ(タープ)をセットにした場合、約14万円。ロロとほぼ同じ価格です。
何が言いたいのかよくわからなくなってきましたが、見方を変えてみると納得できる事もあります。
ロロとゼクーLの重さを比較
こちらもインナーテントを考慮して比較します。
この結果には驚いたのですが、インナーを考慮すると重さはどちらも17キロ程度と同じです。
2ルームテントの重量で20キロとかざらなので、ロロはやや軽い部類かもしれません。
それでも重い場合は、インナーテントやポールを別のバッグに分ける方法もあります。
ロロとゼクーLの動き、集い
さて、異なるようで共通点の多いロロとゼクーですが、どのように過ごすか?を考えた場合、性格の違いが見えてきます。
ロロはリビングスペースで、家族や恋人と同じ景色を眺めて過ごす。テント内の動きの方向は基本、一方向になります。
対してゼクーのワンポール構造は、テント内でテーブルを囲う、仲間と集う。といった使い方が良く似合います。イメージ的には円形に集まる。です。
あなたの理想とするキャンプスタイルをイメージすることで、自分に合ったものがどちらか、見えてくるかもしれないですね。
まとめ:結局どっちがいいのか
さて、項目別にまとめてみます。
リビングスペース:ロロの勝ち!
景色を楽しめる :ロロの勝ち!
寝室スペース :ゼクーLの勝ち!
設営の容易さ :ゼクーLの勝ち!
かっこよさ :どっちも最高!
結論:どちらも最高にいいテントです。直感で好きな方を選びましょう。きっと後悔しません。
以上、ロロとゼクーLの2ルームテントとしての比較でした。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。