2022年に発売した大人気のテント、ゼインアーツのロロ。
そんなロロのメリット・デメリットと気になる点を考察していきます。
ロロの特徴は下記4点です。
・唯一無二の美しく最高にかっこいいデザイン
・一人でも確実に設営できる
・季節、天候を問わず景色を楽しめる
・優雅に過ごせるリビングスペース
但し、デメリットが全くないわけではありません。
じっくりと見ていきましょう。
ロロの備える、唯一無二のデザイン性
度肝を抜かれるとは、このことでしょうか。
あまりにも衝撃的なデザインでした。
ワンポールをベースとし、フレームで空間を広げる設計。ワンポールテントとトンネルテントを合体させたようなもの?
ロロはそんな単純ではありません。「合体」ではなく見事に「融合」しています。
個人的にすごいと思ったのが図の青いライン。このラインがある事で、前方トンネル形状と後方のワンポールのデザインが自然と調和しています。
もしこのラインがなかったら、後方はシャープな形状、前方は丸みをおびたトンネル形状でちぐはぐになっていたハズです。
また、サイドのメッシュを四角窓でなく、ワンポールの中心位置まで斜めにつないだデザイン(図の赤いライン)がすごくいい。
独特な形状の為、見る角度によって全く違う表情を見せてくれます。
キャンプでも、いろいろな角度から写真を撮るのが楽しくなりそうです。
フロントパネルは跳ね上げができ、その美しさが秀逸です。
スカートの根本部分で跳ね上げる場合が多いですが、それだとスカート部が「だらん」として見栄え的に残念です。
ロロはスカートの先端で立ち上げる為「ピシッ」と美しく決まります。
細かすぎるかもしれませんが、オーナーとして誇れるポイントであることは間違いありません。
「ロロ」の名前の由来として「タンカー船」があります。そのタンカー船のように見えたのが荒船山です。
ロロ購入の際にはぜひとも聖地、荒船パノラマキャンピングフィールドで最高にかっこいいロロを張ってください。
一生忘れない思い出になりますよ。
やっぱりかっこいいのが一番です。どんなに快適でも、機能的でも、かっこよくなきゃ嫌です。
ロロは言う事ありません。最高に美しくかっこいい、唯一無二のデザインです。
ロロを手にできたら、どれだけ気分が上がるでしょう。想像するだけでやばいです(笑)
ロロは一人でも確実に設営できる
大型2ルームテントの設営は大変です。最大の難関は「テントを立ち上げる事」です。
ランドロック、アポロン、アルニカなどを「初めてでも一人で設営できる?」と聞かれたら「たぶん無理」または「難しいかも。」といった回答になると思います。初回から自信は、ないですよね。
でもロロならば即答です。「間違いなくできる」と答えます。
一人で設営できるという「確信」があります。テントの構造をみてそう感じました。
一般的な2ルームテントの設営手順は、
1.テントを広げる
2.フレームを取り付ける
3.テントを立ち上げる
といった流れですが、最難関は「テントを立ち上げる作業」です。
フレームの取り付けやペグダウンも大変ですが、「時間はかかるけどできる」内容です。
ですが「テントを立ち上げる」のは、作業自体が困難なんです。設営を諦める理由の多くはここにあります。
一方、ロロの場合は以下の手順になります。
1.テントを広げる
2.四角形を作りペグダウンする
3.センターポールで立ち上げる
4.フレームを取り付ける
5.残りのペグとガイロープを張る
ロロの立ち上げは、「幕の中から棒を一本立てる」これだけです。
できない理由がありません。
テントさえ立ち上がれば、残りのフレーム取り付けは簡単です。
この構造だからこそ、「初めてでも、一人でも、確実に設営できる」と断言できます。
このサイズで、そこまで言い切れるテントってあまりありません。
なお、ワンポールで立ち上げてフレームで空間を広げる、という構造は同社のゼクー、ギギも共通しています。
設営で大変そうなのは、ガイロープの多さです。全部張ったら結構大変。
でも強風時以外は全部張る必要はありません。
逆に、その日の状況に合わせ張る本数を調整できるメリットとして捉えられます。
なお、ロロの設営に必要な面積は約「8×10m」です。
立てるだけならば前後はもっと縮められますが、せっかくフロントパネルの跳ね上げができるので、その分のスペースも確保しておきたいですね。
車込みの場合でも、10m×10mの区画サイトならば問題ありません。
季節・天候を問わず景色を楽しめる
きたか!と声をあげましたよ。この景色を見たときに。
なぜならゼクーMは「テント内から景色を楽しむ」という点で若干の不満があったからです。
ゼクーの大開口部を全開にすれば視野を広く取れますが、ここにはメッシュがありません。
夏は虫が入り放題。雨の日はそもそも解放できません。
メッシュのあるエクステンションフレーム部(三角フレーム部)は、サイズが小さく景色を楽しむのに適していません。
どんな季節でも、どんな天候でもテント内から景色を楽しめるテントもいいなあ、と思っていました。
ロロならば、それが叶います。
しかも軒があり、出入り口は内側に食い込んだ斜め形状となっている為、雨の影響を受けにくい設計です。
全周にスカートを完備し、インナーテントも付属しています。
季節を問わず、天候を問わず、景色を堪能できること間違いありません。
このパノラマ感は、きっと家族も感動しますよ。
優雅に過ごせるリビングスペース
ロロは快適に過ごせるリビングスペースを確保しています。
通常、2ルームテントの天井高は2mほどのフラット形状が多いです。
ロロはワンポールをベースとしているため、上方向に空間が大きく取られており実際の寸法より広さを感じます。
天井が高い部屋が広く感じるのと同じ理屈です。
中心に向かうにつれ高さを増す空間は「優雅さ」を感じさせてくれます。
前述した景色を楽しめるパノラマ構造もあり、リビングスペースの満足度は非常に高いと感じます。
反面、寝室となるインナーテントはある程度割り切られたサイズです。
奥へ行くほど&左右へいくほど天井高が低くなっています。
もちろん「寝る」という事に関しては何も問題ありません。
ただ、インナーテント内でも立って自由に動き回れる、とまではいかないのでご注意ください。
大人4人寝る事は可能ですが、コット4つはちょっと厳しいかな?
とはいえ、この快適性と至高のデザインはトレードオフの関係にあります。ロロの美しさを失うならば、このインナーでいいですけどね!
ということで、ロロのリビングスペースは優雅に過ごせる快適空間、ただ、インナーテントのサイズはしっかりチェックしましょう。
ロロは重いのか?
結論:それほど重くないです。軽い・普通・重いで分類すると、「やや軽い」になると思います。
一般的な2ルームテントは多くが20kg前後の重さです。
ロロは全て込みで17キロ。許容範囲ですね。
ちなみにゼクーLはインナーテントが別売りですが、合計すると17.3kgでロロより重くなります。ゼクーLとゲウ(タープ)を別で準備すると20kgにもなります。
ロロはタープいらずでインナーテント付きで17kgです。こう見ると、それほど重くないと感じます。
幕本体の厚みは下記の通り。一概にどれがいいという話ではないですが、参考までに。
ランドロック 150D
アポロン 210D
ロロ 75D
注意点として、ゼインアーツの採用するシリコン加工されたポリエステルリップストップの生地は、軽量で強度がある反面、シワになりやすいというデメリットがあります。収納時はできる限り丁寧に畳みたいですね。
補足:ロロにはペグが付属しません。どちらにせよ別で購入が必要になるので、ペグは付属せず販売価格が抑えられているのは嬉しい事です。
ロロの価格は高いのか?
ロロは税込みで約15万です。単独で見ると少し高く感じるかもしれません。
注)価格改定でロロは164,890円(税込み)になりました。
では比較します。フラッグシップクラスの2ルームテントの価格帯は15万~20万が多いです。10万以下の2ルームは幕・ポールのスペックが違い過ぎるので比較対象にはなりません。
ロロに付属のインナーテントはゼクーLと似たようなサイズの為、価格としては約2万円と考えられます。
よってロロは13万円の本体と、2万円のインナーテントと捉える事もできます。
ゼクーL+ゲウの合計額で比較した場合、価格はあまり変わりません。
もし家族を説得するならば、「インナーも付いてるよ」「タープいらないよ」がポイントですね。
【後日追記】2023年の価格改定で164890円税込になりました。
15万円が妥当かの判断は難しいですが、少なくとも高すぎる価格設定ではないかなという印象です。
ですがこの価格帯になると選択肢がかなり増えることもまた事実。
グラフの価格表示はすべて定価です。ただし、ゼインアーツ以外の製品は割引価格で購入できることも多く、一方ゼインアーツは定価で買えればラッキー。結果、価格差は縮まります。
できるならば、出来る限りたくさんのテントを見て納得した上で購入するのが一番です。
個人的には、オガワのアポロンが好きなので少し悩みます。
設営はロロより大変そうだけど贅沢な広さとかっこよさ、強風にも揺るがない強さなどとても魅力的なテントです。
また、キャンプブーム終了の影響か、定価187,000円に対しかなりの割引販売になっていますので、チェックしてみてください。
以上、ゼインアーツの新作・ロロの考察でした。
最後までお読み頂き、ありがとうございまいた。
【参考】
ゼインアーツ公式HPのロロの画像で使用しているチェアはこちら↓