ゼインアーツの2024年新作テント。
ウータS-TCとウータL-TCのメリットとデメリットを考察していきます。
ウータの最大の特長は信じられないほど安価な価格設定です。
反面、最大の注意点は、その設営方法にある。そんな印象を受けました。
順に解説していきます。
※当ブログでは恒例ですが、詳細スペックは省略します。公式サイトで超絶かっこいい画像を眺めながらご確認ください。
【最大のメリット】ハイスペックなのにとんでもなく安い
ウータ最大の特長であり最大のメリット。それは圧倒的に安価な価格設定です。
安い素材を使っているから安い。ではありません。
ウータは素材や仕様に一切の妥協がないハイスペックテントとして発表されました。
それなのにとんでもなく安い!もはや理解が追い付かないレベルです。
・秋冬使用を想定し、TC素材を採用
・軽量なアルミポールを採用
・フロント、サイド、リアパネルすべてにメッシュ完備
・リアパネルにはトリプルスライダー装備
・ファスナーはビスロン仕様
・スカート完備
・デザインにも妥協なし
※上記すべて、ウータS、Lとも共通
これ以上つけるものないでしょ。って印象です。
これでサンキュッパとゴーキュッパ価格。意味が分かりません。アーさっぱり理解できません。
ウータLはロロと同クラスのサイズ感の2ルームテントです。それが6万円でおつりがきます。
頭が???で満たされてしまいます。
価格の実現はEC専売と生産ロット数によるものか
2024年4月にゼインアーツとしては初の「価格ありきのモデル」としてククが登場しました。
ククは素材のグレードを落とし材料費を削減、また、ゼインアーツ公式ECサイト専売とすることで物流コストをカットし低価格を実現しました。(とはいえ、ククは”スタンダートなスペック”のテントであり、性能が低いわけではない)
ただ、ウータはスペックを落とさず、クク以上にコストパフォーマンスが高められています。
ハイスペックなのに価格が安くなってるという、まさに考えられない状況。
このからくりは、以下にヒントがありそうです。
CAMPHACKさんの取材の中で、こんなコメントがありました。
僕の予想も含みますが、おそらくウータは従来よりも生産ロット数(生産数)を多くし、1張当たりの原価をこれまで以上に低減した。それを販売価格にも反映しているのではないでしょうか。
普通の会社なら…原価効率アップで利益アップ!とするところ、ゼインアーツは原価効率アップ!→販売価格も低減してユーザーに還元!
ってしてくれちゃったんですね。
やだ、やっぱりゼインアーツって、最高です。
ウータTCその他のメリット
ウータTCその他メリットは以下です。
ぶっちゃけ公式サイトに書いてある通りです。
- 秋冬の使用に最適なTC素材
- スカート、ビスロン&トリプルスライダーなどの冬対応仕様
- インナーテントが付属し、2ルームとして使える構造
- 外側傾斜&メッシュで雨天でも使い易い
- リアにもメッシュ完備で風通しが良い
- フロント~サイドまで広範囲に景色を眺めることができる
あとは「安く買えるけど、安いテントだなぁと引け目を感じる事も全くないテント」とも言えるかと。
だって、ウータは正真正銘のハイスペックテントです。
しかもかっこ良く、美しくデザインされたテントですからね。堂々と張って、眺めてニヤニヤしちゃいましょう。
余談:ウータSはコンパクト&TC素材だからマイ暖でも結構暖かくなりそう…
冬キャンプは荷物多めになりがち。これで軽量化できたら最高かも。
【最大のデメリット】設営には慣れが必要か?
さて、だいぶ褒めちぎりましたがウータにも注意点があります。
ビルディングテープの多さです。
ウータの設営は「慣れるまで大変そう」という印象を受けました。
ゼインアーツのワンポール拡張型テント(ゼクー、ギギ、ロロ)には共通の設営方法がありました。それは、
ビルディングテープに沿って4か所ペグダウンし、メインポールで幕を立ち上げるという手順です。
シンプルかつ合理的な設営方法で、誰でも設営できる設計です。
ウータも基本的に同じ思想で設計されていますが、6か所ペグダウンして立ち上げる事、その為にビルディングテープが多い点が従来製品と異なります。
影響として、このような事が起きるかもしれません
・重いTC幕を苦労して広げる
・ペグダウン位置を探したいが、テープが多すぎて位置関係がよくわからない
・テープ同士が絡み合ってしまい、ほどいたり伸ばしたりに手間がかかってしまう
また、ウータの場合、以下図の外側赤丸の4か所が強度の要になっているように見られます。
つまり、ペグダウン位置が適切でないと本来の設計強度が出ず、倒壊のリスクが上がりそうです。
※公式マニュアルには、「四角形がゆがむと完成状態もゆがみ、破損しやすくなる」という記載もあります。
ウータの設営では、最初の工程が最重要ポイントになりそうです。
①最初の四角形をビルディングテープに沿って正確に作る。
②外側の2か所のペグダウン時は、2本のビルディングテープが弛まないようしっかり引いた位置にペグダウンする。
しっかりと、頭に入れておきたいですね。
とはいえ、結局は「慣れ」の問題
ウータはビルディングテープの多さにより、従来のゼインアーツ製品と比べても設営には「慣れ」が必要なテントと言えそうです。
でも結局、「慣れ」の問題です。つまり慣れてしまえば何てことはないでしょう。
設営自体の手順が多すぎるとか、大型2ルームテントにありがちな幕の立ち上げがとても大変、といった部類ではありません。(ペグダウン本数はインナー込みで計20本とやや多いけど)
公式のマニュアルをしっかりと読んでいれば、設営できなかったという事にもならないかと思います。
もし僕がこの幕を使用するならば、畳み方のパターンを決める事で、設営をしやすくします。
畳まれた幕を転がして広げた時に前後が決まるようにする。最初にペグダウンする位置は、後方のゼインアーツロゴがある箇所がスタート。そこを起点にテープをたどり、4か所→+2か所をペグダウンする。
という感じでパターン決めさえできてしまえば、何てことないかなと思ったりしています。
ウータTCその他のデメリット
ウータTCのその他のデメリットは以下です。(私感)
デメリット…少ないですね。
しかも、圧倒的に安価な価格を考えるともはやデメリットにならないかも。ウータ、強い。
あまりに安すぎて、従来製品が割高に感じてしまう事も、ウータの生み出したデメリットでしょうか。
もう、ピン!と来たならば迷わず買っちゃっていいっしょ!って感じです。
類似製品がちょっと増えたけど…
最後に。
ワンポール拡張型テントのラインナップが増えてきました。
ロロ、ギギ1、ギギ2、ゼクーM、ゼクーL、各種TC、サバティカルのモーニンググローリー、yozoraのkohakuなど。
ウータはハイスペックなのに圧倒的な安価で「これが最強じゃん!」と思った方も多いかもしれません。
それについては、僕の見解は「とはいえ、やっぱりそれぞれ違った魅力がある」かな、と。
ざっくり書くと、ギギの跳ね上げは「風の抜け感」でウータより優れてるとか、ウータの内側傾斜は雨でも大丈夫とはいえkohakuのバイザーの方が雨での安心感は大きいと思うとか、直立姿勢でスタスタ出入りできるロロはやっぱり楽だよねとか、まあそんな感じです。(時間があれば別記事で書きます。)
自分のスタイルを見極め、可能ならば季節によって使い分けしていければベストなのかなと思います。
あーでもないこーでもないと悩む時間も楽しいですけどね!
以上、ゼインアーツの新作ウータ、メリットとデメリットを考察する!でした!
最後までお読み頂きありがとうございました。