ゼインアーツ2023年の新作、ゼクーM TCとギギ1TCを比較します。
ギギ1はTC化にあわせスカートが装着されたことで、冬キャン耐性がぐっと上がりました。
ということで、ポリ幕では考えなかったゼクーM TCか?ギギ1TCか?という悩みも出てきました。
今回はこの2つのテントの快適さ・設営面・特徴やデメリットなどを比較していきます。
※参考までに、僕はゼクーM(ポリ)を2年以上使用しています。
ゼクーM TCとギギ1TCのスペック比較
まずはじめに、スペックをざっくりと比較します。
ゼクーM TC | ギギ1 TC | |
---|---|---|
横幅 | 440cm | 500cm |
奥行き | 380cm | 400cm |
高さ | 250cm | 220cm |
重さ | 15kg | 9kg |
スカート | あり | あり |
その他 | リビングシート付属 | 跳ね上げ可能 |
価格 | 95,480円 | 53,350円 |
快適人数 | ~3名 | ~2名 |
ギギはソロ用、ゼクーは多人数用のようなイメージがありますが、実は寸法は近いです。
床面積だけでみるとギギのほうが広く、高さはゼクーが余裕があります。
また、ゼクーM TCにはリビングシートが付属するため、お座敷スタイル・土間スタイルのどちらでも可能。
対してギギ1TCは前面・後面の跳ね上げスタイルが可能という特徴があります。
それにしても、ギギ1TCの5万円ちょっとという価格の安さが際立ちます。
ゼクーM TCとギギ1TCの広さ感の比較
大きさの比較 | |
---|---|
ゼクーM TC | ギギ1 TC |
440×380×250(h)cm | 500×400×220(h)cm |
広いのはどちらか?という問いに対しては、即答でゼクーM TCです。
先に床面積は実はギギの方が広いと述べましたが、広さ感は「テント内の高さ」が重要になります。
ゼクーM TCは六角形のうち三辺がエクステンションフレームでおよそ140cmも立ち上げられています。
その影響で、もはやワンポールテントということを忘れそうなほどの居住性があります。
テント内での立った姿勢での移動もとても快適です。
辺を持ち上げ居住性を増す。ギギ1 TCも同様の思想を持ったテントですが、ゼクーのフレームでの立ち上げに対し、ギギはポールでの立ち上げで高さも抑えられています。
また、ゼクーの三辺立ち上げに対し、ギギの立ち上げは2か所のみ。
高さもゼクーに対し30cm低く、ギギの内部はどうしても幕の「斜辺」を感じる事になります。
よって、「広さ」を感じるのはゼクーM TCという結論です。
※但し、「快適か?」を考えた場合は、使用人数や季節によってもその答えは変わります。
人数が多い場合は間違いなくゼクーを快適と感じますが、ソロキャンプであればほどよい広さ感のギギの方が快適と感じる方も多いでしょう。
また、冬キャンプの場合、空間が狭いほうが温めやすいということも、考慮したほうが良いです。
※快適と感じる人数は、以下のイメージです。
・ゼクーMTC ~3名まで
・ギギ1TC ~2名まで
寝るだけならばあと+1名はいけますが、快適さはだいぶ薄れると思います。
- 居住性は圧倒的にゼクーM TC
- 但し、ソロキャンプ・冬キャンプではギギ1TCの方が快適に感じる時も
ゼクーM TCとギギ1TCの重さの比較
重さの比較 | |
---|---|
ゼクーM TC | ギギ1TC |
15kg | 9kg |
多くのキャンパーが直面する「荷物多すぎ・重すぎ問題」。
これが行き過ぎると、積み込みと撤収が億劫になり、気軽にキャンプに行けなくなるので重さはとても重要です。
それぞれの重さのイメージはこんな印象です。
- ゼクーM TC … 結構重い
- ギギ1 TC … そこそこ重い
重さの感じ方は人により違ってきますが、少なくともどちらも軽くはないと感じます。
※個人的には5キロを切るとかなり気軽に持ち運べる印象です。
重さについては、結局のところ自分がどこまで許容できるか次第、ですね。
参考までに、僕の所有するゼクーM(ポリ)は11.5kgです。
そこそこ重いですが、最高にかっこ良くて快適に過ごせるので、この重さは全然許容範囲です。
- どちらも軽くはない
- テントはキャンプの主役!自分が許せる重さならOK
ゼクーM TCとギギ1TCの設営の比較
設営の難易度は? | |||
---|---|---|---|
かなり大変 | ちょっと大変 | わりと簡単 | とても簡単 |
△ゼクーM TC | 〇ギギ1TC |
設営できるかな?大変かな?という点は気になりますよね。
まず両者に言える事は、「設営は絶対にできる」という点です。
キャンプに行って最悪なのは、テントが設営できない事。初めての2ルームテントの設営ではあり得る話です。
で、設営できない理由の多くは「テントが立ち上がらない」為です。
その点においてゼクーもギギも、4か所ペグダウンしてセンターポールで幕を立ち上げるという共通した設営方法になっており、立ち上げがとても簡単。
ですので、初めて購入するテントとしても超おすすめできます。
まあ、初回は多少のゆがみはでますが、設営はできます。安心してください。
さて次にどちらが大変か?
これはイメージ通りになりますが、ゼクーの方が大変です。
理由はフレームとガイロープが多さにあります。
ペグ・ガイロープ本数 | ||
---|---|---|
ゼクーM TC | ギギ1TC | |
拡張フレーム/ポール | 3本 | 2本 |
ペグ本数 | 21本 | 18本 |
ガイロープ本数 | 24本 | 10本 |
どちらもワンポールベースではありますが、
ポール2本で幕内を拡張するギギと、3本のフレームで拡張するゼクーでは設営の手間もだいぶ変わります。
補足すると上記のペグ本数・ガイロープ本数は「最大数」になりますので、例えば風の弱い日はすべて張る必要はない、という点も知っておいてください。
設営方法は公式のマニュアルがとてもわかりやすいです。(発売前ですが、すでに公開されています)
→ゼクーM TC設営マニュアル(公式)
→ギギ1TC設営マニュアル(公式)
【注】現在、ゼインアーツのテントにはペグが付属しません。
公式の推奨するペグは以下です。
ZEKU-M TC | GIGI1-TC | |
グラートステイク28 | 18本 | 12本 |
グラートステイク18 | 3本 | 6本 |
ずっとゼクーを使ってきた印象としては、幕本体を固定する6本のペグはグラートステイク28がおすすめ。
その他の箇所はチタンペク25cm程度のものが固定力・軽さのバランスがよくておすすめです。
(グラートステイク18も所持していますが、出番は少ないです)
- 設営はゼクーの方が大変。
- でも風が弱ければガイロープは全部張る必要はない。
補足:ゼクーの設営は、設営ガイドを作成すると劇的に改善します。
ダイソーに売っているものだけで誰でも自作できるので、ぜひ参考にしてください。
ゼクーM TCとギギ1TCのかっこよさの比較
どっちもめちゃくちゃかっこいいよ!
すみません。比較になってないですね。
でも、本当ににどっちもかっこいいんです。実際に見るとその美しさに目を奪われます。
自然の中に溶け込む形状でありながらテントとしての快適性も確保。
まさにゼインアーツの「機能と美」の真骨頂です。
それぞれを言葉で表すならば、以下でしょうか。
ゼクー:見る角度によって全く違った表情を魅せる唯一無二のスタイル
ギギ1:流れるような優雅なデザインが美しいテント
方向性は違えど、所有満足感は120%満たされると思います。
ギギ1はスカートを装着した事で野暮ったくならないか心配でしたが、全くそんな事はありませんでした。
ギギで特筆すべきは跳ね上げがスカートの端部(先端)で可能な事です。
せっかく跳ね上げてもスカート部がだらんとしていると台無しですが、ギギはピシっと完璧に決まります。
ロロと同じ手法ですが、この跳ね上げ方式は全メーカーに取り入れて欲しいですね。
なお僕、ギギ1TCを実際に見て、あまりのカッコよさにかなり欲しくなりました。
- 方向性は違えど、どちらも最高にかっこいい!!
ゼクーM TCにしかできない事は?
見落としがちですが、ゼクーM TCには5角形のリビングシートが付属します。
フロアのあるお座敷スタイル、フロアなしの土間スタイルのどちらでも選択できます。
このリビングシートがとても優秀で、まず、かなり丈夫。グランドシートなしでも簡単には破れません。
形状はあえて五角形の形状とすることで、いわゆる「玄関」ができます。
さらにフチの部分が立ち上がっていることで虫や砂埃も侵入しにくくなっており、ただグランドシートを敷いた状態より遥かに快適です。
お座敷スタイルができる=コットがなくても大丈夫。ということもあり、初めて購入するテントとしてもハードルが下がります。
※実際に僕もこのリビングシートが付属していた事で、コットがなくてもこのテントなら大丈夫!と思い購入しました。
- リビングシートは優秀!キャンプ初心者でも使いやすい!
ギギ1TCにしかできない事は?
ギギ1TCにしかできない事、それは「フラップの跳ね上げ」です。
跳ね上げによる解放感はなかなかのもので、ゼクーにはない魅力になります。
さらに前方だけでなく後方の跳ね上げもでき、夏はタープ替わりとしても活躍できると思います。
TC素材なので、影の濃さも保証済み。
ゼクーもTC化したとは言え、形状的に風の抜け方には限界があり、結局夏の使用は厳しいという結果になりそうです。
ギギは高さはないけど床面積は充分広いので、夏の前後を跳ね上げたままインナーテントで就寝というスタイルもいいかも。
こうやって考えてみると、ギギ1TCの季節対応性はかなりのレベルにあることがわかってきます。
この総合力の高さを知ると、欲しくなっちゃいますね。
春 | 夏 | 秋 | 冬 | |
ZEKU-M | ||||
ZEKU-M TC | ||||
GIGI1 | ||||
GIGI1-TC |
- ギギ1 TCの総合力はかなり高い!
後悔する要素はないのか?
さて、良い点ばかり見てきましたが、デメリットも見ておきます。
後悔する要素を上げるならば、「テントへの出入りは楽ではない」という点です。
所持しているゼクーM(ポリ)の満足度は非常に高いですが、あえて不満を上げるならばこの出入りという点です。
ゼクーの場合、大開口部からの出入りは幕が斜めの為ファスナーが遠い。
一方エクステンションフレーム部は幕は垂直で開け閉めは容易ですが、そもそも高さがないので、腰をかがめる必要があります。
ギギ1TCの場合は選択肢が大開口部からの出入りしかないため、幕が斜めで遠い位置にあるファスナーへ手を伸ばし開け閉めする必要があります。
よってどちらも、2ルームテントのように直立姿勢のままスタスタとテントに出入りする事はできません。
1点だけフォローするならば、冬場のポリ幕のように出入り時に結露したテントに体が触れてしまい服が濡れる、という事はないでしょう。TC幕の大きなメリットですね。
最後に、忘れてはいけないのが、これらはカッコよさとのトレードオフということ。
出入りを快適にしたけどカッコよさが半減した。では、やっぱり嫌ですもんね。
- どちらもテントへの出入りは、やや腰に負担がかかる
まとめ:どちらもかなり優秀な幕
さて、あれこれ書いてきましたがまとめます。
- 広さ:ゼクーMTCのほうが広い
- 重さ:どちらも軽くはない
- 設営:ゼクーの方が大変だけど、ガイロープは全部張らなくてもOK
- かっこよさ:どちらも最高にかっこいい
- ゼクーMTC付属のリビングシートは優秀
- ギギ1TCは跳ね上げができ、あらゆる季節に対応できる
こんな所ですが、個人的にはギギ1TCの万能さがかなり魅力的に感じました。
既に大きめのメインテントをお持ちならば、ソロ専用幕(冬用)としてもかなり活躍してくれそうです。
ということで、ゼクーMTCとギギ1TCの徹底比較でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。