ゼインアーツ2023年新作の展示会レポ。第一弾は「ロガ」です。
実際に見て触れて感じた事を、まとめておきます。
ロガ、かなりいい幕です。
美しさと優雅さを兼ね備えたスタイル
いや、これ…かなりカッコいいですよ。
ベースの「ロガ4」はシャープでかなり攻めたデザインでした。
サイズ拡大と聞いて、見た目のバランスは大丈夫?…と気になってましたが、完全にいらぬ心配でした。
※ロガ4はキャンプとアクティビティを行き来しながら使用する事を想定。対してロガはキャンプで快適に過ごす事を主目的として開発された幕です。
昨年放映の情熱大陸を見た方は、製品サンプルを見た小杉代表の「両サイドがあと30cm延びれば…」のコメントも印象的だったと思います。
ロガの側方へ流れるような曲線は、まさにゼインアーツの「機能と美」。
自然と調和するスタイル、ほんとにカッコいいです。
ロガを眺めていると、ふとキャンプで見た景色を思い出しました。
山頂から麓までどこまでも続いていく緩やかなカーブ。
この景色にロガを重ねることができたなら、どれだけ素晴らしいでしょうか。
そんな事を想像させてくれるデザインでした。
居住性は見た目よりずっと高い
次に居住性ですが「高さがないから中の移動は辛いかな…」と思っていました。
ですが、結果的には結構快適という印象でした。
言い替えると「全然アリ」
すごく快適!まではいきませんが、充分快適という印象です。
圧迫感をあまり感じないんです。驚きました。
その理由はまず「出入りが楽」という点にあります。
前方を巻き上げていれば、出入り口の高さは約170cm。
ほとんどの人が立ったまま出入りできる高さです。
出入りの際は、頭の移動位置は青ラインあたりになります。
それほど意識せず、スッと入れます。
仮に入口が低かった場合は、腰から曲げる必要があるのでなかなか大変です。(頭が赤ライン位置のイメージ)
テントへの出入り回数は思いのほか多く、快適さに直結します。
出入りが苦ではないロガは快適です。
次にテント内部ですが、ロガは中心へ行くほど天井が低いデザインです。
もっとも低い部分(中央)はおそらく140cm程度。
身長170cmだとだいたい肩くらいの高さになります。
でもやっぱり、数値ほどの低さは感じませんでした。
なぜだろうと考えている中で、気づきました。
ロガの場合、前室にテーブルとチェアを普通に配置すると、ちょうどリビング回りが一番高さが出ます。
自然と広い部分が活動エリアになるから、快適だったんです。
完全に直立までは厳しいですが、頭を少し下げる程度でテント内を移動でき、苦には感じません。
横から見ると青丸がリビングの位置です。最も広い空間がリビングの位置になります。
逆に一番低い赤丸の位置をリビングにする事はあまりないでしょう。
(この位置だとある程度腰を曲げる必要があります)
なるほど。やはり実際に触れてみて気づくものですね。
側面も大きく解放できます。
フルオープンでの風通しはかなり良さそう。
もちろん、開放感はさらに上がります。
インナーテントも十分すぎる広さを確保
インナーテントも充分に広く、2人でゆったり、3人でも充分休めます。
4人でもいけそうですが、ちょっとギリかな。
インナーの固定は天面6カ所と底面4カ所?(おそらく)
手の届く高さという事もあり、ゼクーやロロのインナーよりも設置は簡単かと思います。
後方から。
インナーも幕に沿った形状。つまり高い所はちゃんと高くなってます。
インナーテント内で着替える際も、窮屈感はなさそうです。
後方からも出入りはできますが、幕の傾斜でファスナーの位置がやや遠く、出入りには他を使ったほうがよさそう。
側面も大型メッシュあり。
幅広い季節で対応できそうです。
寒い冬の朝。横だけを解放しシュラフの中から景色を楽しむ、そんな使い方もいいと思います。
実際に使うシーンのイメージは?
美しい幕で、大切な人とゆったりと上質な時間を過ごす。
そんなイメージが沸きました。
お気に入りのギアを並べた適度な空間って、とても居心地が良いです。
高さを抑えて耐風性も確保されているので、倒壊のリスクも低そう。
インナーが広い事もあり、一日を通して快適に過ごせそうな予感がします。
前面の幕は跳ね上げる事もできますが、巻き上げの方が開放感が出ます。
チェアからの距離感もほどよく、テント内からも充分景色を楽しむ事ができます。
補足すると、リビング設置時の視線の方向は、やはり前方(画像の青)です。
側面側(画像の赤)方向でもいけるかな?と思いましたが、
解放面積があまりない&巻き上げ部はそれほど高くない為、前方と比べ開放感がかなり劣ります。
その他いろいろ
スカート付き。冬でも大丈夫です。
スカートも綺麗に固定したい方には、福善工業さんの打刀がオススメです。
なお、ポリ幕なので結露はします。
ですが、「結露の心配」を理由にカッコいいテントを選択肢から外すって、とてももったいないと思います。
ポール交差部はベルクロ固定。
ポールはマット調です。質感は高いです。
イスは正面方向を向けて設置がよさそうです。
一番の理由は景色がよく見えるから。
側面側(幕側)にイスを配置した場合、幕と頭が触れるか触れないかの距離感です。
人によっては気になるかもしれません。
両端の流れるデザインは美しいですが、傾斜もありクローズ状態で中から開けるにはファスナー位置が若干遠く感じるかも。
この辺はかっこ良さとのトレードオフですけどね。
クローズ状態からの出入りは壁が立っている側面の方が楽かも。
ガイロープはアイボリー。
個人的には黒のほうが違和感がなく好きです。
なお幕体はロロやゼクーと同じ75Dポリエステルリップストップ。
軽量かつ強度が高いですが、シリコン加工された幕はシワが付きやすいデメリットもあります。収納時はなるべく丁寧に畳みたい。
解放した正面から。
ソロで贅沢に使うのもいいかもしれません。
背が低く小さく見えますが、じつはロロより長さがあります。
ロロ:530cm
ロガ:595cm
ガイロープを張るスペースを考慮すると、ロガは最低でも8mの幅が必要になります。
区画サイトでの使用時はサイト広さを事前に確認しましょう。
まとめ:用途が合えば最高の幕に
ということで、まとめます。
・美しく優雅さも備えたデザイン性
・居住性は見た目よりずっと高い
・2人(~3人)での贅沢使用がオススメ
展示会での注目度はそれほど高くなかったのですが、それはロロの影響と思います。
ロガが快適とは言え、ロロの圧倒的な広さには遠く及びません。
ですが、耐風性・防寒性・軽さなどを考えていった場合、ロガが勝る点も多く出てきます。
冬キャンプだと、大きい幕ほど暖めるのは大変ですからね。
ロガの用途は限定的かもしれませんが、人と被る事も少なく自分だけのスタイルを表現できそうです。
ロガ、いいですよ。
欲しくなっちゃって困りました。
ということで、ゼインアーツ2023年展示会、ロガのレビューでした。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。