ペグハンマー比較レビュー!グラートハンマーvsスノーピークvsYOGOTO

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こんにちは。よんすたです。
今回はこちらの3つのハンマーの比較レビューです。

ゼインアーツ・グラートハンマー
スノーピーク・ペグハンマーPRO.S
YOGOTO・ペグハンマー

形状・素材・設計思想の違いにより、使用感に大きな違いがあり驚きました。

詳しくレビューしていきます。

目次

基本スペックを比較

まず基本スペックを比較していきます。

※YOGOTOのペグハンマーはヘッドのグラつきが出た為、針金を巻いた状態です。ご了承ください。

 グラートハンマーペグハンマーPRO.SYOGOTOペグハンマー
ヘッド素材スチール(鋳造)スチール(鍛造)スチール(鋳造?)
グリップ素材アルミ木製木製
サイズ(長さ)26cm29.2cm30cm
重量(実測値)523g680g660g
抜け防止サポートエンドストラップ安全ベルト
メーカーゼインアーツスノーピークYOGOTO
価格(税込)4,983円5,280円約2,500円
その他逆さに自立する日本製収納ケース付き
左から:グラートハンマー、スノーピーク、YOGOTO

パッと見ではスノーピークとYOGOTOは似た形状。

ただし、スノーピークは鍛造、YOGOTOはおそらく鋳造で、製法が異なってると思います。

グラートハンマーのデザインは明らかに異質。

コンパクトで軽く、そして何より斬新なデザインが目を引き、キャンプ中も眺めてニヤニヤできます。

スノーピークのハンマーはこの中では唯一の日本製でした。

グラートハンマーは中国製。YOGOTOも海外製です。

日本製は見かける機会が減りましたが、やはり安心感があります。

まず目につくのはグラートハンマーの短さ。

グリップにアルミを採用していることも特徴的です。サイズだけでなく素材でも軽量化に貢献しています。

持ち手はYOGOTOのみ湾曲した形状。他はストレートですが、スノーピークはヘッド付近は細く絞り込んでおり、短く持ちたい時に持ちやすい形状です。

左から:グラートハンマー、スノーピーク、YOGOTO

ヘッド形状はグラートハンマーのみ四角。他は円形です。

グラートハンマーはヘッドが四角形の為、逆さに立てて置くことができます。

立てられる=紛失しにくい

グラートハンマーを使っていると、無意識のうちに立てるようになります。

そして、ちゃんと目立つので、あれ?ハンマーどこ?となる事がなくなりました。

左から:グラートハンマー、スノーピーク、YOGOTO

実測でもグラートハンマーは他より150gほど軽い結果となりました。

スノーピークとYOGOTOが特別重いわけではありません。ペグハンマーとしては一般的な重さですし、実際気になるレベルではありません。

ハンマーの握りやすさを比較

左から:グラートハンマー、スノーピーク、YOGOTO

握り心地はかなり異なります。

グラートハンマー:明らかに細い。アルミの素材は冷たさを感じる。
スノーピーク:ほどよく握りやすい。違和感がない。
YOGOTO:太い。女性には太すぎて握りにくいかも。

握って好感触なのはスノーピークのペグハンマーPRO.Sでした。

スノーピークの持ち手

まず、スノーピークは太さが適切です。

断面形状はグラートハンマーとYOGOTOの楕円に対し、スノーピークだけは八角形でした。
この角がある形状はとても握りやすいです。

さらに「あやめ加工」が施されていて、滑り止めの効果があります。

普段は端部をしっかりと握ってガンガン打ち込む。

軽く打ちたい時は細くなった部分を握ってコツコツと丁寧に打ち込む。どちらにも対応できて素晴らしい。

使ってみて、とても良く考えられた設計であることに気づきました。

ペグの打ち込みやすさを比較

さて、最も重要な打ち込みやすさの比較です。

使用したペグは、ゼインアーツのグラートステイク、チタンペグ25cm、打刀16cmの3種類です。

一言で評価するとこちら。

グラートハンマー:打ち損じしにくい。細いペグでも打ちやすい。
スノーピーク  :ガンガン入る。ペグにダメージが出やすい?
YOGOTO  :ごく普通。可もなく不可もない。

打ち込む気持ちよさ

打って気持ちいいのはグラートハンマーとスノーピークでした。YOGOTOはひたすら普通。

スノーピークはとても握りやすくて、違和感なくペグを打てます。

適切な配置のストラップ

ヘッド付近に取り付けられたストラップは、位置・長さが理にかなっており、手首に掛けピンと張ると自然に”いい位置を握れます。

短いと窮屈。長すぎると邪魔なだけですが、スノーピークのストラップは完璧です。

対してYOGOTOの安全ベルトは持ち手の端部(下)に取り付けられており、しかも長すぎて邪魔なだけ。

結局取り外してしまいました。

打ち込みの「音」も異なります。スノーピークのヘッドは鍛造。鍛造ペグを打つと「キーン、キーン」と甲高い音を響かせます。

ハンマーの長さが生む遠心力×充分な重さ×鍛造ヘッドの合わせ技でペグをガンガン打ち込めます。

今回使用した中では、最も少ない回数でペグの打ち込みが終わりました。

唯一気になったのはペグへのダメージです。

鍛造ハンマーと鍛造ペグの組み合わせは、ペグに対するダメージも大きいのかも。

打ち損じの影響もありますが、YOGOTOのハンマーで力まかせに叩いても、ここまで傷がつきません。

鍛造ヘッドのハンマーはペグへのダメージも大きい?

ペグハンマーPRO.Sの長所を失わずにペグへのダメージを減らしたい…。

銅ヘッドのペグハンマーPRO.Cならば解決できると、この時に気づきました。

PRO.Cの銅ヘッドは衝撃を吸収しペグのダメージを和らげます。ヘッドは消耗したら交換が可能です。

衝撃を吸収するから、手の疲れも軽減します。

打ち込む本数が多いと、この差は無視できないレベルになってきます。

以前は、ヘッド交換なんて面倒なだけじゃん。なんでそんな仕様なの?と思っていましたが、なるほど…よくわかりました(笑)

続いてゼインアーツのグラートハンマー。

滑りやすさはグローブで解決

持ち手の細いグラートハンマーですが、女性や手の小さい方でも持ちやすいです。

太いグリップの場合「ガシッ」と強く握って打ち込みたくなりますが、グラートハンマーを握ると「ペグは力で打つんじゃないんだよ」と言われてるような気がしてきます。

やや滑りやすいですが、グローブを装着すれば解決できます。高価なものでなくても大丈夫です。

画像のものはワークマンで購入した「護(まもり)01」というもの。278円で購入でき、手の疲労感も減るのでオススメです。

サポートエンドはゴム製

すっぽ抜け防止のストラップの替わりにサポートエンドがあります。ゴム製でやわらかく、打ち込み時に手に当たっても違和感はありません。

一見頼りなさそうに見えるサポートエンドですが、使ってみるとちゃんと機能していると感じました。むしろこれがないとハンマーがすっぽ抜けそうで怖いです。

ヘッドの重心はかなり外側

グラートハンマーの重心は、ヘッドのかなり外側寄りです。

これにより、コンパクト&軽量ながらも振り下ろす際の遠心力は強く働きます。

この構造を理解し、力任せに握らずヘッドの重さと遠心力を使うイメージでペグを打ち込みます。

比較すればスノーピークよりわずかに打ち込む力は弱いですが、必要にして充分です。

全長の短さもあり、打ち損じはほとんどなく着実に打ち込みができます。

ヘッドは鋳造。鍛造のグラートステイクを打つと「コーン、コーン」という音。深く打ち込んでいくと「ゴンッ、ゴンッ」といった低い音に変わってきます。ハンマーとペグの素材によりここまで音が変わるというのは新鮮でした。

鍛造ハンマー×鍛造ペグ = 甲高い音
鋳造ハンマー×鍛造ペグ = やや低い音

甲高い音は気持ちいい反面、遠くまで響きます。

夕方に設営する場合は、少し気になるかもしれません。

左:スノーピーク 右:YOGOTO

重心の視点で比較した所、YOGOTOに対してスノーピークのほうがやや遠心力を生かせるような設計になっていることに気づきました。

YOGOTOよりスノーピークの方が打ち込む力が強く感じたのは、この遠心力かかり方の違いも影響していたようです。

YOGOTOの打ち込む気持ち良さは、あまり評価すべきことがありません。

特別良くもないけど悪くもない。ごく普通です。

ただ、このハンマーしか使っていない期間に、不満を感じた事は一度もありません。

ある意味では、とてもバランスがとれた商品とも言えます。

価格も考慮した場合、コストパフォーマンスは相当に高いです。

打ち損じのしにくさ

最も打ち損じが少なかったのはグラートハンマーです。

長く重いほど打ち込むパワーに繋がりますが、反面、打ち損じも増えます。

グラートハンマーのサイズは「絶妙」な所をついてきたな、という感じです。また、四角いヘッド形状は、円形よりも的を外しにくいです。

ヘッド面積が狭いチタンペグ打ちやすく、力任せに打つと曲がってしまう打刀も確実にコツコツと打てました。

スノーピークも悪くありません。

正確に打ちたい場合は、持ち手の中央部分を握ります。くびれた部分を握ることで滑りも抑え確実にペグを捉えることができます。

ただし、正確性だけを考えた場合、もともと短いグラートハンマーのほうが扱いやすいかも。

YOGOTOもヘッドに向けやや絞り込まれていますが、それでもやっぱり太い。無駄に力が入りすぎます。正確に打つという点では他のハンマーが優れています。

ペグの抜きやすさを比較

ペグの抜きやすさは想定外の結果に。YOGOTOが最もよかったです。

まず、フック部分はスノーピークと似ていますが、YOGOTOのほうが細くペグに引っ掛けやすいです。

スノーピークはフック部分のサイズが大きく強度は高そうですが、ペグの種類・掛ける位置によってはフックが奥まで入りません。

引き抜きに関してはYOGOTOは優秀

また、YOGOTOの持ち手の太さが功を奏し、フックを掛けたあとペグを回転させる時に力が入れやすい。

やや湾曲した持ち手端部の形状は、引き抜きにおいて滑りにくいというメリットになります。

引き抜きではサポートエンドが気になる

一方、グラートハンマーは引き抜きに関しては少し残念な結果に。

フックは細くペグに掛けやすいですが、グリップが細い為回転させる時に力を入れにくかったです。

引き抜き時は滑りやすく、サポートエンド(画像の赤矢印部)が手に当たって気になりました。

ペグを抜く作業は、グリップが太い方が力が入れやすくて簡単です。

※とはいえ、地面がそれほど固くなければ気になるレベルではありません。

ハンマーの耐久性を比較

耐久性については使用期間の長いYOGOTOのみ評価します。

約1年半使用したYOGOTO

使った期間は約1年半です。使用回数はキャンプ26回程。

使用環境は地面が硬めのキャンプ場が多く、ややハードな環境だったと思います。

ついにガタが出てきました。数本ペグを打つと画像のようにヘッド固定金具は歪んで固定ピンも頻繁に浮いてしまう状態に。針金ぐるぐる巻きで無理やり誤魔化してきましたが、もうそろそろ限界です。

とはいえ、グラートハンマーやスノーピークの半額で買えちゃう。他のハンマーが同じ環境でYOGOTO使用年数の倍も持つか?と考えると自信はありません。

YOGOTOはコスパを重視する方には、充分満足できるハンマーだなと感じました。

【追記】
およそ2年間使用してきて、グラートハンマーのヘッド部に少しガタが出てきました。

ペグハンマーPRO.Sは全く問題なく、しっかりとヘッドが固定されています。

グラートハンマーの耐久度はやや心配していたのですが、スノーピークのハンマーと比較すると、やや劣るのかもしれません。

まとめ:結局どれがおすすめなの?

さて、結局どれがいいのかって話です。

一長一短で決められないので採点しました。

 グラートハンマーペグハンマーPRO.SYOGOTOペグハンマー
デザイン★★★★★★★
握りやすさ★★★★★★★
抜け防止★★★★★
打つ気持ち良さ★★★★★★★★
打ち損じの少なさ★★★★★
ペグの抜きやすさ★★★★★
ペグへのダメージ★★★★
コスパ★★★★★★★
TTL評価点18/2118/2116/21

僕の採点では、グラートハンマーとペグハンマーPRO.Sが同点になってしまいました…。

PRO.Sの唯一の★1「ペグへのダメージ」については、PRO.Cを買えば解決できます。が、コスパは一気に下がりますね。

全然まとまりませんが、無理やりまとめます。

・コスパ重視orキャンプ回数が5回以下/年ならYOGOTOで必要充分
・かっこいいが正義ならゼインアーツのグラートハンマー
・金額が気にならず、あらゆる点で最高のものが欲しいならペグハンマーPRO.C
・値段も含めトータルバランス重視であればペグハンマーPRO.S

こんな感じでしょうか。

しかし、ここまで悩ましい結果になるとは、思いもしませんでした。

実際に僕がどれを使っているかというと、グラートハンマーとPRO.Sをその日の気分で使い分けています。

グラートハンマーを使うとPRO.Sが使いたくなり、PRO.Sを使うと、グラートハンマーが使いたくなり、そんな感じです(笑)

以上、ペグハンマーの比較レビューでした。

なかなか悩ましいですが、あなたがベストなハンマーを手にできることを、心から願っています。

では、また。

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